我が家の子供2人は自閉症です。
2歳3か月でABA(DTT)療育を行うまでは無発語でしたが、現在では2語文を喋れるようになってきました。
ABAは日本語で言うと応用行動分析、行動療法です。
自閉症児は周囲に関心を持つことが難しいですが、このABAを使って生活に必要なスキルを学ばせる事ができます。
ABA療育にも流派があります。今回はこのABAの流派について書きたいと思います。
DTT(Discrete Trial Teaching)
1970年代にロバース博士が開発したABAがDTTです。
自閉症児を机に座らせて、先生と教え子の立場で、小休止を挟みつつ、課題を繰り返す。
課題ができればご褒美(強化子)を与える事で、正解の行動を増やすというものです。
この研究では2-3歳の自閉症幼児19人に対して、ABAに基づく平均週40時間の1対1の療育を、2年以上にわたって施しました。
その結果、19人中9人(47%)が知的に正常になったというエビデンス(研究成果)があります。
週40時間。サラリーマンの勤務時間ですね。
メリット
・着実にスキルを教え込める
・エビデンス(効果を示した研究成果)がある。
デメリット
・教えるのに時間がかかる。
・般化が難しい。(教え込んだ事はできても、実生活で応用が利くようにするのは難しい)
PRT(Pivotal Response Treatments)、フリーオペラント
DTTの週40時間は非効率だという事で、自閉症児の興味ある事に対して介入することで、もっと効率を上げられるという発想で出てきたのが、PRT、フリーオペラントです。
PRTはアメリカのケーゲル博士が発案したもので、フリーオペラントは日本で発案されたものです。
DTTのように訓練するような形ではなく、自閉症児が興味があるものを使って、その場・状況に応じて、教えるという形です。
メリット
・DTTのように時間がかからず、成果が上げられる(はず)
・日常の遊びの中で教える為、般化が容易(のはず)
デメリット
・課題として一つずつ身に着けさせる訳ではない為、成果が分かりにくい。
・エビデンス(効果を示した研究成果)の情報が見当たらない。
私と同じ自閉症児の親に知ってもらいたいこと
しょうがないですが、仕事としてABAをやっている人は自分の所属流派を推します。
そして実力のない療育者は、他流派をけなします。
自閉症児を育てる親の立場からすれば、ちゃんと成果を出せた方が優れている。
それだけの事です。
我が家ではDTTで、1年かけて無発語の娘を喋れるようにしました。
50音を1音ずつ身に着け、2音→3音→単語→2語文と順番に身に着けていった為、DTTの効果は疑いようがないです。
途中、児童発達支援の幼児教室でPRT、フリーオペラントの先生にも関わった事があります。
「子供の模倣をして」と言われて、やってましたが、我が家の娘には効果なしでした。
これをもってPRT、フリーオペラントはダメだという話ではありません。
我が家の娘は当時全く周囲に関心がありませんでした。模倣をされても、気にならなかったのです。
ここから言えるのは、子供の状況や相性によって大きく成果が変わるだろうという話です。
また療育の成果を大きく変えるのは、優れた療育者かどうかです。
何人か療育者を見てきましたが、何派だろうと、下手な人は下手。上手な人は上手です。
そして下手な療育者がやる事は能書き(他流派を落とす事で自分の立場を良くしようとする)です。
逆に上手な人はしっかり子供を見て、子供を伸ばす事に力を注ぎます。
成果が出れば、能書きは必要ありません。自慢もしません。
親としては一生関わる唯一無二の子供です。
親自身がしっかり勉強して、子供に合った療育で、伸ばしてあげたいですね。
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